- 過敏性腸症候群の食事療法
- 食事療法の問題点と注意点
*動画とブログの中身は同じです。
本日の内容は、過敏性腸症候群の治療についての第2回目です。
まずは食事療法について簡単に説明します。それから、食事療法の問題点と注意点についても少し触れたいと思います。
過敏性腸症候群では、特定の食べ物を控えることが症状の改善につながることがあります。
例えば、脂質やカフェイン、香辛料、乳製品などを控えてみることがガイドラインでは勧められています(※1)。
また、食物アレルギーやFODMAP(フォドマップ)の頭文字で呼ばれる発酵性の炭水化物が原因と考えられる場合は、疑わしい食品を避けることで改善が見られることもあります。
低FODMAP食については次回説明します。
ちなみに、食事療法ではすべての怪しい食品を避ける必要はありません。
食事療法は自分に合った食事のとり方を見つけることが目的だからです。
まず、これまでの経過から疑わしい食べ物を食べないようにして、体の反応を見てみましょう。
症状が明らかに改善されれば、その食べ物が体に合わない可能性が高いと考えます。
疑わしい食品が見つかったら、今度は予定がない日などに少しそれを食べてみて、本当に症状が出るかを確認してみましょう。
ただし、1回だけでは偶然かもしれないので、何回か試してみることが大切です。このとき、食べたものや症状の起きた時間を日記に書いておくと効果的です。
症状が起こるまでの時間が毎回大きく違う場合、その食べ物とは関係がないかもしれないからです。
食事療法の問題点と注意点は次の通りです。
- 食事療法は全員に効果がある治療法ではない
- 食事指導が保険診療で認められていない
- 過敏性腸症候群は長く続くことが多い病気のため、食事療法は症状の改善と生活の質のバランスを考えることが必要
- 疑わしい食品をすべて禁止にする必要もない
食事療法は全員に効果があるわけではありません。
また、過敏性腸症候群の食事指導は保険で認められていないため、病院で受けることは難しいです。
だから、食事療法は効果的な食事が見つかればいいな、くらいの気持ちで行いましょう。
過敏性腸症候群は長く続くことが多い病気です。このため、特定の食べ物に問題があるかもしれない場合も、症状の改善と生活の質をバランスよく考える必要があります。
たとえば、疑わしい食品が大好物で、少しの症状なら我慢できるなら、症状が出ても平気な日に食べる、という選択肢もあるわけです。
なお、アレルギーの場合は命にかかわるので、少しでも症状があればやめてください。
次回は、よく質問される低FODMAP食について説明します。
イラスト:イラストAC-カフェラテさんのイラストを使って菊池が作成
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集英社プラス-知の水先案内人で【脳腸相関】を連載中です。特に第10回および第11回は過敏性腸症候群についてです。
※1 過敏性腸症候群(IBS)診療ガイドライン2020 日本消化器病学会 公開日:2020年7月15日
過敏性腸症候群すっきりプロジェクト
過敏性腸症候群に対する非薬物治療の臨床試験に関する情報提供のためのサイト
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