過敏性腸症候群の生活の質と心理療法⑤:事務局便り#23

  1. 過敏性腸症候群に対する予防策と成功体験
  2. 不安の変化と予防策

*動画とブログの中身は同じです

本日の内容は、過敏性腸症候群と、生活の質や心理療法との関係の続きます。

まず、外食に対して不安を感じているAさんを例にとり、過敏性腸症候群に対する予防策と、その予防策がうまくいった成功体験について簡単に説明します。

つづいて、同じ予防策を繰り返すことで、不安な気持ちがどのように変わるかを簡単にお話しします。

Aさんは過敏性腸症候群の治療を受けています。

最近、食事をするとお腹が痛くなり、トイレに長い時間こもることが増えてきたため、外で食事をするのを避けています。

ある日、友だちのBさんから一緒に食事に行こうと誘われましたが、Aさんは「もしお腹が痛くなったら、Bさんやお店に迷惑をかけてしまう」と考え、断りました。

その結果、Aさんは誰にも迷惑をかけずに済んだと安心しました。

その後もBさんから何度か誘いがありましたが、Aさんが誘いを断り続けたため、次第にBさんからの誘いはなくなり、二人は疎遠になってしまいました。

結果としてBさんと疎遠になったことは別として、ここでAさんは「誘いを断る」という方法を取ることで、Bさんやお店に迷惑をかけることがなくなり、安心感を得られたという成功体験を得たことになります。

不安が強くなってきたときに予防策を使ったら、安心したというのは、言い換えれば不安が下がったことになります。

次に同じような状況に直面して不安を感じたら、また同じ予防策を使いたくなるのは自然なことです。

ただし、その予防策がAさんの例のように、不安を感じるのをただ後回しにするだけのものであれば、かえって不安が解決しにくくなることがあります。

Aさんのような不安は、実際に体験してから時間が経つほど強くなりやすいという特徴があります。

たとえば、車を久しぶりに運転するとき、1か月ぶりよりも、1年ぶり、10年ぶりの方がより不安を感じるかもしれません。

同じように、Aさんも外食することを長い間避けていると、外食に対する不安がどんどん強くなってしまう可能性があります。

こうした予防策のために生活の質が悪くなってしまった場合、どうすればよいかについて、「リセットプログラム」では解決法を提案しています。

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次回は、過敏性腸症候群の脳腸相関と腸内細菌の関係について少し触れたいと思います


イラスト:イラストAC-カフェラテさんのイラストもしくはそのイラストを使って菊池が作成

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集英社新書プラス-知の水先案内人で【脳腸相関】の連載をしています。主に第10回および第11回が、過敏性腸症候群についてです。

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